銀棺の一角獣
「ルドヴィク――あなたもいらっしゃい。あなたにも何かを見つけましょう」


 美術室につくと、アルティナは数歩後ろを歩いていたルドヴィクを呼んだ。


「わたしが身につけるのは――あれ。あなたはその二つ隣のものを使いなさい。あれなら身体に合うでしょう?」


 アルティナが示したのは、かつてアルティナの父が使っていた物だった。戦死した時身につけていた鎧とは違う。アルティナの父とルドヴィクは体型が似ているから、彼の身体にも合うだろうと思った。

 それにアルティナが身につけるつもりでいる品とよく似ている。鎧の細部に施された細かな彫刻、要所に配された輝かしい宝石。金を縁にあしらっているところも。


「ルドヴィク、お願いがあります――聞いてくれるかしら?」

「命令ではなく、頼みでしょうか?」

「ええ、お願い。無理なら無理でかまわない」

「わたしにできることでしたら何なりと」


 アルティナはルドヴィクを見上げた。
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