銀棺の一角獣
「いつか――髪をまとめる飾り紐をあげたでしょう……?」
ルドヴィクはうなずいた。
「あれを使って……ほしいの。まだ持っていてくれるのなら……無理にとは言えないけれど」
小さく彼は笑った。
「持っていますよ。肌身離さず」
「一度も使ってくれたことはなかった」
思わず不満顔になったアルティナは唇を尖らせた。
「使えるはずないでしょう。あなたからいただいたものを使えるはずなんてない。ずっとここに……しまっておきました」
ルドヴィクは胸に手を当てる。アルティナの唇が震えた。それだけで胸がいっぱいだ。
「……アルティナ様」
しなやかな仕草で、ルドヴィクは膝をついた。アルティナの手をとって、そこに口づける。
彼の唇の感覚に、アルティナの背中を喜びが走り抜ける。何度も口づけあった――その時のことを思い返して。
ルドヴィクはうなずいた。
「あれを使って……ほしいの。まだ持っていてくれるのなら……無理にとは言えないけれど」
小さく彼は笑った。
「持っていますよ。肌身離さず」
「一度も使ってくれたことはなかった」
思わず不満顔になったアルティナは唇を尖らせた。
「使えるはずないでしょう。あなたからいただいたものを使えるはずなんてない。ずっとここに……しまっておきました」
ルドヴィクは胸に手を当てる。アルティナの唇が震えた。それだけで胸がいっぱいだ。
「……アルティナ様」
しなやかな仕草で、ルドヴィクは膝をついた。アルティナの手をとって、そこに口づける。
彼の唇の感覚に、アルティナの背中を喜びが走り抜ける。何度も口づけあった――その時のことを思い返して。