銀棺の一角獣
「すぐに婚礼の儀を執り行うのだから」
「……承知しております」
視線を落とせば、礼服と同じ刺繍を施した柔らかなライオールの靴のつま先が目に入る。そのつま先をにらみつけながらアルティナは言った。
「今宵、一角獣を引き渡す場には喪服ではない服装で参上いたします」
「そうか」
ライオールの声音は満足そうな色をはらんでいた。
「それならば――せいぜい美しく装うがいい」
ライオールは、アルティナに退出するように告げる。その言葉を受け入れて、アルティナは与えられた部屋へと下がった。
アルティナの依頼通り、ディレイニー人の侍女が部屋に待ちかまえていた。ケイシーと名乗った彼女は、アルティナより少し年下に見えた。
「どうぞ、よろしくお願いいたします」
茶の瞳をくるくるとさせて、ケイシーはアルティナを見つめる。
「まずは、湯殿にお湯を用意しますね。それから、お着替えをして――その前に軽食をお持ちした方がいいですか?」
矢継ぎ早に繰り出される問いに、アルティナは苦笑いになった。
「……承知しております」
視線を落とせば、礼服と同じ刺繍を施した柔らかなライオールの靴のつま先が目に入る。そのつま先をにらみつけながらアルティナは言った。
「今宵、一角獣を引き渡す場には喪服ではない服装で参上いたします」
「そうか」
ライオールの声音は満足そうな色をはらんでいた。
「それならば――せいぜい美しく装うがいい」
ライオールは、アルティナに退出するように告げる。その言葉を受け入れて、アルティナは与えられた部屋へと下がった。
アルティナの依頼通り、ディレイニー人の侍女が部屋に待ちかまえていた。ケイシーと名乗った彼女は、アルティナより少し年下に見えた。
「どうぞ、よろしくお願いいたします」
茶の瞳をくるくるとさせて、ケイシーはアルティナを見つめる。
「まずは、湯殿にお湯を用意しますね。それから、お着替えをして――その前に軽食をお持ちした方がいいですか?」
矢継ぎ早に繰り出される問いに、アルティナは苦笑いになった。