銀棺の一角獣
たちの悪い真実
ティレルの背に掴まって、アルティナは目を閉じる。風が髪を揺らした。ドレスのスカートが風にあおられてばたばたと翻る。
「落ちるなよ?」
「――落ちないわ!」
ティレルにアルティナはわめき返した。走るティレルの速度が緩やかなものになって、アルティナは目を開く。
アルティナの視線はまっすぐに前を見ていた。アルティナの正面にはルドヴィクがいた。
ルドヴィクは、ライオールと打ち合っていた。二人の周囲にはいつの間にか空間ができている。
開けている周囲の空間で、兵士達は呆然と二人の戦いを見守っていた。アルティナの目にはどちらが有利なのかわからない。
飛び込み、打ち合い、また距離をあけて、にらみ合う。
「アルティナ様!」
横目でアルティナの姿を確認したルドヴィクは、悲鳴に似た声を上げた。
「落ちるなよ?」
「――落ちないわ!」
ティレルにアルティナはわめき返した。走るティレルの速度が緩やかなものになって、アルティナは目を開く。
アルティナの視線はまっすぐに前を見ていた。アルティナの正面にはルドヴィクがいた。
ルドヴィクは、ライオールと打ち合っていた。二人の周囲にはいつの間にか空間ができている。
開けている周囲の空間で、兵士達は呆然と二人の戦いを見守っていた。アルティナの目にはどちらが有利なのかわからない。
飛び込み、打ち合い、また距離をあけて、にらみ合う。
「アルティナ様!」
横目でアルティナの姿を確認したルドヴィクは、悲鳴に似た声を上げた。