銀棺の一角獣
何を言ったらいいのかわからなくて、アルティナはティレルの首を拳で叩いた。かなりの衝撃なはずなのに、ティレルはびくりともしない。
「魔が払われるのとキーランが倒れるのは同時だ――ライオールは信じられないものを見た気がしただろうな」
アルティナにとっても衝撃的な光景だった。必死に泣いて彼の名を呼んで揺さぶっていた間、死んだふりをしていたのかと思えば腹が立つ。
ティレルはまったく悪びれていなかった。
「視覚的な効果は抜群だったろ? あとはおまえが泣き叫んでくれたのもライオールには衝撃だったろうな」
アルティナ達が城壁の中に入った時には、キーランは輿に乗せられて出迎えられる位置についていた。
神官着は刃で貫かれ、金糸は血で汚れていたけれど。アルティナを申し訳なさそうに見る目は、倒れる前と何も変わらなかった。
「魔が払われるのとキーランが倒れるのは同時だ――ライオールは信じられないものを見た気がしただろうな」
アルティナにとっても衝撃的な光景だった。必死に泣いて彼の名を呼んで揺さぶっていた間、死んだふりをしていたのかと思えば腹が立つ。
ティレルはまったく悪びれていなかった。
「視覚的な効果は抜群だったろ? あとはおまえが泣き叫んでくれたのもライオールには衝撃だったろうな」
アルティナ達が城壁の中に入った時には、キーランは輿に乗せられて出迎えられる位置についていた。
神官着は刃で貫かれ、金糸は血で汚れていたけれど。アルティナを申し訳なさそうに見る目は、倒れる前と何も変わらなかった。