銀棺の一角獣
王宮での会談
ライオールの入城まで時間はなかった。アルティナは城へと戻りながら何人も使者を走らせ、王を迎え入れる準備を急がせる。
本当ならキーランも会談の場にいられればよかったのだけれど、芝居を終えた彼は輿で眠り込んでしまっていた。本来なら、ベッドを離れられる状態ではないのだから無理もない。
彼のためには部屋を用意させ、神殿からジャファールが呼ばれる。医師も呼ばれて彼の部屋につめることになった。
「……着替えている時間はなさそうね」
鎧と鎧の下の胴着だけを脱ぎ、髪を直すだけで我慢した。結い上げた髪にさした生花は抜いて花の部分を切り取って水盤に浮かべる。その水盤は、会談の場に設定された小広間に運ばれた。
「何か忘れているような気がするの」
広間に入ったアルティナは宰相のデインを見やる。
本当ならキーランも会談の場にいられればよかったのだけれど、芝居を終えた彼は輿で眠り込んでしまっていた。本来なら、ベッドを離れられる状態ではないのだから無理もない。
彼のためには部屋を用意させ、神殿からジャファールが呼ばれる。医師も呼ばれて彼の部屋につめることになった。
「……着替えている時間はなさそうね」
鎧と鎧の下の胴着だけを脱ぎ、髪を直すだけで我慢した。結い上げた髪にさした生花は抜いて花の部分を切り取って水盤に浮かべる。その水盤は、会談の場に設定された小広間に運ばれた。
「何か忘れているような気がするの」
広間に入ったアルティナは宰相のデインを見やる。