銀棺の一角獣

「半年ぶりだね！　……前に会った時より綺麗になったんじゃない？」


　出迎えたアルティナにまっさきにそう言ったは、今や国王となった兄を支える宰相となっていた。


「キーラン様は、お口が上手になられました。わたしを誉めても、気のきいたお返しもできないのですよ？」

「ルドヴィクも。君も変わらないね」

「殿下もお変わりなく――今日は、奥様はご一緒ではないのですか？」


　ルドヴィクはキーランに続いて馬車から降りてくる人がいるのを期待していたのだけれど、乗っていたのはキーラン一人だった。

「ヘネットが妊娠したんだ。まだ初期だから馬車の振動はよくないだろうってね。彼女も君に会えるのを楽しみにしてたんだけど」

「まあ、残念ね。お会いできるのを楽しみにしていたのに」