銀棺の一角獣
キーランは、半年前にディレイニー王国内の貴族の娘と結婚していた。アルティナとキーランが最後に会ったのは、その式の時だ。
「彼女も残念がってた。今度こそゆっくりアルティナと話ができると思ってたのにって。でも、ケイシーがついてくれているから安心だよ」
あの時はあわただしかったから、ろくに会話をする機会もなかった。アルティナも彼とはほんの数語話しただけで終わってしまったのだった。新婦であるヘネットとは、お互い名乗りあっただけで終了だ。
「……君たちは?」
ルドヴィクを後に従えて、アルティナとキーランが先を行く。長い廊下を進みながら、キーランは小声でアルティナにたずねた。
「半年前もまだしばらくは結婚できないって――」
「国を立て直すのが先決ですもの」
「彼女も残念がってた。今度こそゆっくりアルティナと話ができると思ってたのにって。でも、ケイシーがついてくれているから安心だよ」
あの時はあわただしかったから、ろくに会話をする機会もなかった。アルティナも彼とはほんの数語話しただけで終わってしまったのだった。新婦であるヘネットとは、お互い名乗りあっただけで終了だ。
「……君たちは?」
ルドヴィクを後に従えて、アルティナとキーランが先を行く。長い廊下を進みながら、キーランは小声でアルティナにたずねた。
「半年前もまだしばらくは結婚できないって――」
「国を立て直すのが先決ですもの」