銀棺の一角獣
「テラスに、何かあるのでしょうか」
キーランの過保護ぶりにアルティナは思わず苦笑した。要は、彼がこの国に滞在している間に二人がまとまるところを見たいらしい。
「違うわ。ワインの飲み過ぎで、わたしの顔が赤いって言ってるのよ……酔いを醒ましに、外に出てもかまわないかしら?」
こうなったら、彼に背中を押されるのもいいのかもしれない。
きっかけがなかなかなかったのもまた事実。アルティナが口にしなければ、彼の方は家臣という枠からはみ出てくれることはないだろう。
「風が涼しくなってきたわね。今年の冬は寒くなるかしら」
「どうでしょう……あまり寒くなると、ティレル殿の機嫌が悪くなります」
「確かにそうね。去年の冬は大変だったもの」
キーランの過保護ぶりにアルティナは思わず苦笑した。要は、彼がこの国に滞在している間に二人がまとまるところを見たいらしい。
「違うわ。ワインの飲み過ぎで、わたしの顔が赤いって言ってるのよ……酔いを醒ましに、外に出てもかまわないかしら?」
こうなったら、彼に背中を押されるのもいいのかもしれない。
きっかけがなかなかなかったのもまた事実。アルティナが口にしなければ、彼の方は家臣という枠からはみ出てくれることはないだろう。
「風が涼しくなってきたわね。今年の冬は寒くなるかしら」
「どうでしょう……あまり寒くなると、ティレル殿の機嫌が悪くなります」
「確かにそうね。去年の冬は大変だったもの」