銀棺の一角獣
国を守る神を敵国に引き渡すと決めたあの日。自身は地獄に堕ちようとも、どんな手を使ってでも国を守ると決めた。
あの日、棺を渡すと決めなかったらどうなっていたのだろう。彼が側にいてくれたから、恐ろしさも不安も半減して、何が待っているのかわからない国へ向かうことができた。
返事の代わりにアルティナは彼の胸に顔を埋める。これ以上の言葉はいらなかった。
広間に戻った時には、キーランは退室した後だった。アルティナはそのままルドヴィクを伴って退出する。
ほったらかしにしてしまったキーランには申し訳なかったけれど、それは後日改めて詫びるしかない。
アルティナの寝室にルドヴィクが足を踏み入れたのは、初めてのことだった。
あの日、棺を渡すと決めなかったらどうなっていたのだろう。彼が側にいてくれたから、恐ろしさも不安も半減して、何が待っているのかわからない国へ向かうことができた。
返事の代わりにアルティナは彼の胸に顔を埋める。これ以上の言葉はいらなかった。
広間に戻った時には、キーランは退室した後だった。アルティナはそのままルドヴィクを伴って退出する。
ほったらかしにしてしまったキーランには申し訳なかったけれど、それは後日改めて詫びるしかない。
アルティナの寝室にルドヴィクが足を踏み入れたのは、初めてのことだった。