銀棺の一角獣
 裸のままアシュリーを腕の中に抱え込んで、ライオールは頬に口づけた。


「即位して一年で迎えに来てやったんだ。ありがたく思え」

「……無理です。帰るなんて……」

「邪魔をしそうなやつは全員とばしてしまってやった。どうせ叩けば埃が出まくるやつばかりだからな。即位してから思う存分叩いてやった。面白いくらいにぼろぼろと出てきたぞ」


 悪びれない笑顔で、ライオールはアシュリーの髪を撫でる。アシュリーは嘆息した。


「……強引な方……!」


 彼が強引なのは昔から知っているけれど、それにしたってアシュリー一人を呼び戻すためにありとあらゆる貴族を調べ上げて、追放するだなんて。

 けれど、そこまでしてアシュリーをもとめてくれたのだと思えば、ほんの少しだけうぬぼれる気持ちが出てくる。


「言うことをきく気になるまで抱いてやろうか」


 もう一度ベッドに押しつけられて、身体を開かれる。アシュリーは目を閉じて、彼の熱を受け入れる。そうすることしかできなかった。
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