銀棺の一角獣
「聞きたいことがあったのでは?」
ライオールの方からアルティナを促した。
「……なぜ」
重ねて問われてようやく口を開くが、あまりにも小さな声になってしまった。呼吸を整えて、アルティナはやり直した。
「なぜ、我が国の――一角獣を欲しがるのです? 貴国には守り神など不要でしょうに」
奇妙な音がした。それが彼の喉から発せられていると気づくのに少し間が空く。喉の奥で笑いながら、ライオールは言った。
「確かに我が国には必要ないな――守り神など、な」
ライオールの代になってから、ディレイニー国に飲み込まれた国はどれだけあるのか数えればきりがない。
ライオールは少し身をかがめて、アルティナの瞳をのぞき込んだ。冷たい光を放つその瞳に縛られたように動けなくなってしまう。
ライオールの方からアルティナを促した。
「……なぜ」
重ねて問われてようやく口を開くが、あまりにも小さな声になってしまった。呼吸を整えて、アルティナはやり直した。
「なぜ、我が国の――一角獣を欲しがるのです? 貴国には守り神など不要でしょうに」
奇妙な音がした。それが彼の喉から発せられていると気づくのに少し間が空く。喉の奥で笑いながら、ライオールは言った。
「確かに我が国には必要ないな――守り神など、な」
ライオールの代になってから、ディレイニー国に飲み込まれた国はどれだけあるのか数えればきりがない。
ライオールは少し身をかがめて、アルティナの瞳をのぞき込んだ。冷たい光を放つその瞳に縛られたように動けなくなってしまう。