銀棺の一角獣
棺のところにまで到着すると、アルティナはライオール王の方を振り返る。彼がにやりとする。
また、雰囲気が変わった。残酷で、獰猛で――けれど、どこか憎めないものを感じさせて――今はどうなのかそれはよくわからない。
人ではなく、何か別のものに彼は支配されている――そんな予感にとらわれた。彼の頭上に真っ黒な影のようなものが一瞬見えたような気がしたから。
「早くしてもらおうか」
ライオールがアルティナをせかす。
首を振って見直した時には、ライオールの頭上にあった影のようなものは姿を消していた。
気のせいだったのだろう。そう自分に言い聞かせて、アルティナは棺に向き直る。
手を伸ばして、棺の蓋と本体をつなぐように張りつけられている布に手を触れた。
そっとそこに書かれている文字をなぞってみる。何が書かれているのか意味はまったくわからなかったけれど。
また、雰囲気が変わった。残酷で、獰猛で――けれど、どこか憎めないものを感じさせて――今はどうなのかそれはよくわからない。
人ではなく、何か別のものに彼は支配されている――そんな予感にとらわれた。彼の頭上に真っ黒な影のようなものが一瞬見えたような気がしたから。
「早くしてもらおうか」
ライオールがアルティナをせかす。
首を振って見直した時には、ライオールの頭上にあった影のようなものは姿を消していた。
気のせいだったのだろう。そう自分に言い聞かせて、アルティナは棺に向き直る。
手を伸ばして、棺の蓋と本体をつなぐように張りつけられている布に手を触れた。
そっとそこに書かれている文字をなぞってみる。何が書かれているのか意味はまったくわからなかったけれど。