銀棺の一角獣
「……何があったのです?」


 盆を受け取った時と同じ問いを繰り返すが、やはり返答はない。扉の外の足音がだんだん遠ざかっていって、再び静けさに包まれる。

 ふぅ、とアルティナはため息をついた。だんだんと部屋の中が暗くなっていく。


「……アルティナ」


 部屋の中が真っ暗になってから、ひそやかにアルティナを呼ぶ声がする。それがキーランの声であるのに気がついて、アルティナは扉に駆け寄った。
 扉の上部の窓の向こう側にキーランの姿が見える。


「キーラン様」


 扉に張りつくのではないかと思うほどくっついて、アルティナはたずねた。


「……何があったのですか? 皆……無事、なのですか……?」


 キーランはそっと首を横に振る。


「何人かは死んだ。生き残りは全員とらえられている」

「……そんな……!」


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