誰かが始める断片劇
私の、一番の親友へ


もし、君が、この手紙を読んでいるなら、私はきっと死んでいると思う。


あ……でも、もし生きていたら、この手紙は破いて燃やしてしまってくれ。


とても恥ずかしいから。


……話がそれたね。


そろそろ、私がこの手紙を書いた理由を明かそうと思う。


私がこの手紙を書いたのは、君に伝えたいことがあるから。


リオン。


こんな、剣しか取り柄のない私の、親友でいてくれて、ありがとう。


君と出会うまで、私は、この世界を酷くつまらないものだと思っていた。


命をかけて、救うべきものではないと思っていた。


だけど、君と出会って、そんなことはないと知った。


ありがとう。


君に親友と呼ばれて、嬉しかった。


ありがとう。


短い間だけど、君の親友になれて、僕は幸せだった。


本当にありがとう。


そして、さようなら。


君には、私の分まで幸せになってほしい。


そして、リオン。


私は君が――――
< 29 / 42 >

この作品をシェア

pagetop