誰かが始める断片劇
数日後、何時ものように訓練をしていた私の目の前に、あの少年が現れた。


「ん、また会ったね」


「そうだね」


私は剣を振るうのを止めて、彼に顔を向ける。


すると、彼はハディスの手に握られた木刀に目をやって尋ねる。


「ふむ、君はその訓練を誰かにやらされてるの?」


「うん、師匠に」


「嫌じゃない?誰かに無理矢理やらされるのって」


「……なんで?」


「いや、なんでって…………まあ、これも価値観の違いってことで」


「そう?」


私も人のことは言えないけど、やはり子供らしくない少年だと思った。
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