約束の花~命と恋の物語~
「ドアの前で盗み聞き」
ええ…
出た瞬間にニヤリと笑って言う悠哉。
盗み聞きって…趣味わる。
そう思いながらも気になった俺は、
悠哉と一緒に盗み聞きすることにした。
『…て』
うっすらと聞こえる声
『何で?…なら……よ』
かすれかすれにしか聞こえない。
さっきよりも耳をすませる。
悠哉も同じ。
『…いつかは離れるってなに?そんなこと言うんだったら』
今度ははっきりと聞こえる。
『祥を…っ、私にちょうだいよ…』
…え…佳奈?
『ごめん…ごめん、佳奈』
『私は悠哉と付き合ってるよ…っ、でも祥が好き。それは悠哉も知ってるっ…』
佳奈…が、俺を…?
悠哉を見た。
「…っ」
涙。
悠哉の目には涙が流れた。
頬を伝う程。