約束の花~命と恋の物語~
悠哉は泣く。
「…泣かせんなよ…」
涙を拭いながら言う。
「泣くのはまだ早えーぞ」
俺は屋上のドアを指差す。
そこにいたのは、
「…佳奈」
悠哉は慌てて涙を拭って驚く。
「…悠哉が…祥と、屋上行ったから…」
佳奈は辛そうな顔をする。
教室を出る瞬間に佳奈が目で追っていたのは、
悠哉。
「…で?お前、祥に告白でもしに来たわけ?」
…うわー。
キツイ台詞だな…。
「…違うよ…でも、告白しに来たのは本当。」
佳奈が何かを決心したような顔をした。
「…悠哉に、告白しに来た。」
「…俺?」
「うん…」