約束の花~命と恋の物語~



「仲いいわねー」と、通りすがりの看護婦さんたちに言われる。


今さらながら恥ずかしい…。


「あ…鳥」

「え?」


亜弥が近くの木を指差す。


綺麗な青い小鳥。


見たことない。


…なんだ、あの鳥は?


「…ねぇ」


亜弥が俯く。


「どうした?」


一瞬上を向いて、話し出す亜弥。


「外出届もらったら…家に来てくれないかな?」


…亜弥ん家に?


「いいけど…なんで?」

「彩菜が会いたがってるの」


最近知ったこと。


亜弥はお母さんを彩菜と呼ぶ。


亜弥のお母さんが俺に?


「柊乃花も。」


…柊乃花。


亜弥が病気だって知って怖じ気づいた俺に、


説教してくれた。


あれがなかったから俺は亜弥に、


告白できなかった…と思う。



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