約束の花~命と恋の物語~
「柊乃花か…礼、言いたいな」
亜弥が笑う。
「うん!それにね、あたしたち結婚の約束…したじゃない」
「うん」
「それも踏まえて、ね?」
亜弥は俺の答えを真剣に待つ。
「…わかった。行くよ」
「やった!じゃあまず外出届だ」
無邪気に笑う亜弥を見て、
胸が痛んだ。
今さらの発表だけど俺の母は医者だ。
だからもちろん、脊髄小脳変性症についての知識もある。
そして聞いたこと。
脊髄小脳変性症は、主に中年期にかかる人が多いらしい。
って言っても珍しい病気だから、
あまり例はないらしいけど。