約束の花~命と恋の物語~
「祥、勉強しなさい」
始まった。
母親が毎日決まった時間に俺に言う言葉。
「うん」
そして返事をして部屋に入ると、
ガチャン
外側から鍵を閉めて決まった時間まで開けない。
様子も見に来ない。
やりすぎだ、と最初は思った。
母親がこんなやり方をし始めたのは、
父親が俺と母を置いて他の女のところに行った次の日だった。
その日から、母親は変わった。
辛かったのはわかる。
でも、だからってこんなやり方はない。
俺には部屋(ここ)がちょっとした牢獄に感じた。