約束の花~命と恋の物語~
「あ、そういえば」
泣き終わるのを抱き合いながら待ってると、
亜弥が口を開く。
「あたし…初恋っていうのかわからないけど…」
「うん」
「7才の時ね、よく遊んでた男の子と結婚の約束した」
…え?
「もう顔も名前も覚えてないけどね」
と、亜弥は笑う。
もしかしたら、
俺の、“約束の子”は―
「…大きくなったら」
「え…?」
もし、そうだったら、
死ぬほど嬉しい…
「大きくなったら結婚しよう。また逢えるって 約束」
亜弥は目を見開く。
「まさか…」
「うん…」
亜弥はまた泣く。
「もちろん、してあげる。私も貴方と結婚したい また逢おうね …約束」
やっぱり。
俺の“約束の子”は
亜弥だった。