幻月幻夢
しばらくすると、ズラトロクは足を止め私を下した。


『大丈夫か?』


「お尻が痛いけど平気。」


何回もお尻が擦れてひりひりするが、今はそんな問題じゃない。


「紫刹達大丈夫かしら?」


『あいつらは強い。そう簡単には死なないさ。』


「なら良いけど。あの龍はいったい?」


「あの龍はお前の肉が目的だったのだろう。」


「私の・・・・。」


紫刹から話は聞いていたがまさか、そうそうに命が狙われるとは思ってもいなかった。


『すまないが王よ。少し後ろを見て頂けないか?』


「何でよ?」


『人の姿になれば私は裸だ。着替えは持ってきているから着替えたい。』


「そっ・・・そう分かったわ。」


慌てて後ろを見ると、後ろからくすくすと笑い声が聞こえる。


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