幻月幻夢
「失礼します。」


「紀良、あの子は?」


「今は眠っています。命に別状はありませんし大丈夫ですよ。」


「良かった。みに行っても良い?」


私の言葉に紀良は頷き、私は男の子のいる部屋に向かった。


「こちらの部屋です。」


紀良にそう言われドアを開けると、ベットでスヤスヤと男の子は眠っていた。


「良かった。本当に大丈夫みたいね。」


安心しきった寝顔をしている男の子の頭を撫でていてあることに気づいた。


「あれ?なんかポッコってしている部分がある。たんこぶ?」


「いいえ、それは角です。」


「角!?」


そう言えば紫刹は、私の世界の人間とは違う部分があると言っていた。


「まだ生え始めで分かりづらいですが、成長していくにつれ立派な角になるのです。」


「この世界の人間はみんなそうなの?」
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