幻月幻夢
「いいえ。羽の生えている人間。うろこが体にある人間。えらがある人間などいろいろな姿をした人間がいます。」


「そんなに。」


自分の世界とは違いすぎて呆然とする。


「お前の世界でも肌の色が違う人種がいるだろ?それと同じだ。環境に合わせ体が変化している。」


紫刹がいきなり後ろに立っていて私は、驚き振り返った。


(この男は神出鬼没ね…。)


いつも気づくと近くにいる。


「お前が気配に鈍いだけだ。」


「また人の心をよむ!よまないでよ!」


「好きでよんでいるわけではない。勝手に耳に入ってくるんだ。嫌なら心をよまれないようにするんだな。」


「そんな無茶苦茶な。」


「無茶ではない。訓練をすれば他者から心をよまれなくすることも可能だ。」


「訓練って…」


「それより、お前王になるって言ったよな。」


「言ったけど…」



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