幻月幻夢
「お前は昨日、月を見て“この世界はつまらない”と思っていなかったか?」


「つっ!!!」


確かに昨日は月を見てそう思っていた。


だが何故この男は私の気持ちがわかる?



この男はいったい・・・


(人間じゃない?)


「ああ、俺は人間ではない。」


「え・・・?」


「だから俺は人間ではない。」


そこに驚いたのではない。


心をよまれたことに驚いたのだ。


「心を・・・よめるんですか?」


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