幻月幻夢
「よめる。」


短く返答すると男は、私の腕を掴んだ。


「まだ俺の問いに答えていないぞ?昨日のこと。」


紫色の鋭い目で睨まれ、足がすくみそうなのを必死に堪え、私はゆっくり頷いた。


「そうか。ならば問おうお前にこの国を捨てる覚悟があるか?」


「この国を捨てるですって?」


「ああ、我々が住む世界。幻影国の王になる覚悟があるか?」


「王ですって!?」


訳の分からないことを、いくつも言われ頭がついていかない。


「幻影国の王は、数百年に一度この世界から王を幻神の命の元見つけ出し幻影国に連れて行く。」


「幻神?」


「我々の国の神だ。そして神はお前が幻影国の時期王になるとお告げになった。」


「何故私が?」





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