もし、君の涙を拭えるなら
優子が、心配そうにこちらを見ているのがわかる。






でも、笑って、大丈夫だよ、なんて今の私には言えそうにない。






「立花?大丈夫か?」






私は、やっとの思いで、教壇のところまで足を動かす。






段々、硬直もとけてきた。





「……大丈夫です。」






私は、前を向いて、クラスのみんなを見渡す。






ヤバい、なに言っていいか、わからない。






思わず、下を向いてしまった。






しまった。下を向いたら、もう前を向けない。






私の悪い癖だった。






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