もし、君の涙を拭えるなら
ああ、どーしよ……






目頭が、熱くなってきて、目を瞑った瞬間、どこからか声がした。






「くらげ!」






私は、思わず前を向いて、声の主を探した。






一番後ろ、椅子にだらしなく座って、入学して一週間しか経ってないのに、制服を着崩して、さらにガムを噛んでいる男子。






声は、確かにそちらから聞こえたし、みんなもそいつを見ている。






私は、何も言わず、疑いながらそいつを見た。







「くらげ。」






確かにその三文字は、そいつから発せられてた。






「立花、ほら自己紹介して、時間も押してるし。」






先生が、私に呟いた。






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