しゅわしゅわさいだー
かくかく然々、と説明をして梨加は何とか理解してくれた。


「要は別にまだ好きじゃないけど一目惚れ、ってこと?」

「う、うん。多分そんな感じかな?」

「でも、今日は偶々会えたってだけかもしれないのよねー。ダイヤの乱れとかもあるし…」


そうだよね…。

もし同じ電車でも車両だってわからないし、手がかりは制服とあのルックスだけだし。

ただの一目惚れで終わっちゃうよね、こんな気持ちも。


「だからさ、明日から遅刻ギリギリまでホームで待ちなよ!」


えぇ!?それじゃまるでストーカーみたいじゃん…。


「嫌だよ、変質者扱いされたら嫌だし…」

「良い?まずどこ高校か聞いて、ちょっとお喋りでもしちゃえばもう知り合いだから!」


あたしの話なんか全く聞かないで、梨加は必死に…だけど少し楽し気に話し続けている…。

うーん、あたし凄くチキンなんだけどなぁ…。

でも、こんなに楽しみにしてる梨加を裏切るようなこともできないし、取り敢えず明日だけは待ってみようかな?
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