羽根の生えた指輪


 そのあとのことは覚えていない。


 パニックになって、


 先生がいないところで一人で泣いて、


 悲しくって、


 寂しくって、


 苦しくって、


 もう飛鳥が帰ってこないんじゃなんて暗い考え方になって、


 もし飛鳥がいなくなったら私も一緒に飛び立とうって思ったり、


 それは飛鳥が悲しむって思ったり、


 なんで「ごめん」ってもっと早く言わなかったのかな?


 って私を責めて、


 なんで?


 さっきまで全然平気だったじゃん。


 って私に出来ることじゃないけど、


 飛鳥を責めたり―――。


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