「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
チケットを受け取り、遊園地内に足を踏み入れる。
中学時代とまるで変わらない乗り物のラインナップにあたしは軽く笑う。




そうしてあたしはふと気付いて男にチケット代を突き付けようと、お財布を開く。




「いらねぇ、今日は奢りだ」
「え?でも…」




流石にそれは出来ないと反論するあたしの唇を、男は人差し指で塞ぐ。

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