「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
「先輩がそんな辛そうな顔しないで下さいよ。本当に変わってないですね」
「あたし変わらない?」
「はい。昔から他人事なのに辛そうでしたよ、先輩は」




だから、と誠があたしに細長い筒を渡す。




「だからたけの恋人だった先輩を、愛したんですよ」




差し出された誠の手に、あたしは思う。
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