「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
「姐御、携帯鳴ってるッスよ?」
「はい、刹那にございます」




あたしが電話の相手に告げたのを聞いて、綾ちゃんたちは顔を見合わせて囁き合う。




「姐御って昔からあんななんスか?」
「んー。昔を知らないからあまりへたなこと言えないけど…高校時代からヤクザとかヤンキー好きな変わった子だったらしいよ。本人曰くまともに恋愛してて、かつ現代語だったのは中学時代までらしいの」
「姐御って貴女にもアレッスか?」
「いや、私には現代語よ。愚痴聞いて愚痴言って…凄く普通の女子大生かな」




あたしの耳に届いた2人の会話にあたしは回し蹴りで綾ちゃんを黙らせたくなる衝動を抑え、かなり痛い笑顔で電話の相手に告げる。

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