「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
「取り敢えず“愛されない大学生活”送って“ヤクザに殺される”わ!あたしが死んだらジャスミン手向けに来てね、2人でよ?」




電話口で叫ばれるのと、隼人にたこ焼きで口を塞がれるのと、あたしを高みに誘う神崎さんの手に抱かれるのは、ほぼ同時だった。




「何を申す?俺じゃ不満か、我が“姫”」
「不満も何も愛されたくないと申しておるまでです」




肩を抱く神崎さんの右手を撥ね退け、あたしは電話の相手に適当な言の葉を返す。
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