「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
アングレカム
追い付いた夏乃に、あたしは漏らす。




「んで?何で夕俟様はあたしに『俺様の、姫になれ』なんて言ったの?あたしを蔑むように見るの?あたしを好きじゃないならどうして!」
「私には素直になれないだけに見える。姉サンがあんまりに綺麗だから」
「お世辞はいらない」




あたしは廃墟と化した倉庫を見つめ、1つため息を漏らす。
読みが正しければ瑠愛はここにいる。
あたしが更に汚れたこの場所に。




「ここに?」
「可能性は0じゃない。あたしに謝ると言うならば、ここが道理」
< 43 / 103 >

この作品をシェア

pagetop