「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
そんなあたしの頭を撫でながら、誰よりも女王な瑠愛の声音が頭上に降る。




「夏凪は汚れてないのよ?あのヤクザに奪われたってだけで、ヤクザの世界じゃよくあることだし。貴女は綺麗よ。あたしが保証するわ」
「ありがとう、るーちゃん。でも、本当にもう良いの。あたしの愛する人はあたしを見てない。だから結婚は出来ない」




夏乃が口を開くより早く、瑠愛が苦笑する。
変わらないあたしを見て、面白いと思ったのだろう。




「変わらないね、夏凪。“しない”じゃなくて“出来ない”って、希望の残るような断定するのとかさ」

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