「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
叫ぶあたしの真後ろで、威煌と夏乃のピンクの喚声。
あたしが本気だと、二人には伝わったのだろう。




「アザレア…“愛されることを知った喜び”ね。姉サンらしい」
「お前も姐御見習って隼人に告れば?」
「威煌は黙りなさいッッ!」




そうこうしている間にも店員さんの手でブーケが形になっていく。美しいアザレアたちは、ブーケになってあたしの視界を支配する。




「おリボンは如何致しましょう?」
「夕俟様だから…藍色!」
「了解しました。少々お待ち下さい」
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