「囚われ姫~星屑は魅惑の花の香に抱かれて~」
「キミ、走っちゃ危ないよ?」
「あたし小学生じゃないわ!」
「え?んなこと言ってない…」




駅前でバイクを操る男に声をかけられた。
懐かしいような声が届くから、あたしはどっちに行ったら良いのか完全に道を見失った。




「誠ぉー、逃げるな!」
「やべぇ…姉ちゃん早くそれ被って後ろ乗って?」
「え?」
「早く!姉ちゃんも何か解んねぇけど逃げてんだろ?」




男が指差す方からは走ってくる神崎さん。
ここで捕まえられて尋問されても素直になんてなれない気しかしない。

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