「囚われ姫～星屑は魅惑の花の香に抱かれて～」

アケビ

共有スペースの方が騒がしかったから喧嘩でもしてるんじゃないかと心配したあたしは、共有スペースの扉のノブに手を掛けた。




「夏乃…ですか？彼女も17歳ですし、そろそろ身を固める準備をさせた方がよろしいですか？」
「お前、今何で俺に敬語使った？夏乃のことどう思ってるんだ？言えよ、聞いてやるから」




こんな時でも俺様丸出しな神崎さん。
鈍い神崎さんが気付いているとは思えなかった。




「妹…ですかね」
「やめろよ、はしたない。吐くならもっとましな嘘を吐け。お前の夏乃への想いは本当に“妹”へのものか？“恋愛”としてのものじゃないのか？」