ビターならぶ。
「はい。拭いて?」
「ん?あぁ…」
スーツを脱いで、キッチンの椅子にかけていた最中の彼。
のそのそ、と私の近くにきて持っているうす水色のタオルをとり
頭をくしゃり、とふいた。
「ありがとう」
「ううん、大丈夫」
あれ、大丈夫って変…?
チラ、と彼に視線を向けるも特に気にしていない様子。
キャラメルブラウンの髪は濡れてキラキラと輝いていた。
好きだな、その髪。
なんて、勝手に彼の髪の毛を眺めていた。