植虫戦争
波乱の幕開け

夢は現実!?

驚きと不安と困惑。あなたがその先で見たものとは一体何なのだろうか?

俺、涼森賢一は一般の普通の高校生だ。いや、正確にはだった。

20××年4月、俺が通う宮森高校では、入学式や始業式が桜の花が舞う中普通に行われようとしていた。そう、あの瞬間までは・・・。

ジリリリリッ!
けたたましい程に目覚ましが鳴る。俺は、朝に弱い。ほとんどの人は大抵そうだが、俺はまた別段なのだ。全ての目覚まし(およそ10個)を止め、2度寝しようと布団の中に顔まで潜る。そして再び意識が夢の中にダイブしようとした時、部屋のドアが勢いよく開いた。

「くぉらぁ!バカ賢一いつまで寝てやがる!さっさと起きろ!」

姉の空だ。いつものやり取りである。
いきなり開いたドアの音と、家中に響き渡るような声で一瞬、現実に意識か戻る。だが、夜行性動物並に朝に弱い俺は、再び意識が墜ちそうになる。すると
「よぉーし。いい度胸だ。姉さんが優しく起こしてあげよう」
不意にその言葉が耳に入った瞬間、墜ちかけた意識が一瞬で戻った。
まずい。非常にまずい。姉さんの「優しく起こす」は、俺にとっては生命危険赤信号だ!などと思っていると

「くらえ!地獄のボディブレス!」

「ちょっ!待って姉さん!ぎゃっ!」

途中から声にならない声をあげる。しかも、ボディブレスとか言いつつ、両膝が腹に入るとかボディブレスよりも破壊力高いので余計に痛い。

というかこれ、ボディブレスじゃないだろ。言うなれば「両膝腹落とし?」だ。
だが、今分かる事はその技はひたすら痛いという事だけだった。

痛がる弟を無視して姉、いや人間凶器がまたも技をかけてくる。

「ヘッドロック!」

「っ!!?」

またもや声にならない声をあげる。いや、今度は声も出てないかもしれない。だってこの人、ヘッドロックって言いながら首を思い切り絞めるんだもん。
俺は、「おお!あの姉さんが言ってる技とやってる技がまともだ。」と心の中で思った。何せ、さっきみたいに技名と実際行われる技が違う事がほとんどだからだ。

「いやいや!そうじゃないだろ俺!」

自分で自分に心の中でツッコミを入れた。

俺は、ギブアップの意味を込めて姉の腕をタップしたが、姉は反撃と受け取ったのか、その力がより一層強くなった。
3分程その状態が続き、俺の意識は闇へとダイブした。
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