植虫戦争
それから10分程たったのだろうか。闇へと墜ちた意識は、ちょっとした夢を見始める。
白く光る景色が広がっていた。眩し過ぎる程の光だ。
俺は、目を細めてその先を見る。すると、光が収まり周りには桃源郷とも言えるような一面の花畑が広がっていた。
その光景の余りの美しさに
「すげぇ。ここは地球なのか?」
と、1人で感動していた。俺は花畑を走り、1人ではしゃいでいた。
しばらくはしゃいだ後、俺は少し疑問を覚えた。
(おかしいのだ。)いや、おかしいというよりは(有り得ない)という言葉の方がしっくり来る。
普通人間は夢を見る時、それを夢とは認識しないものだと前にテレビで聞いた事がある。ごくたまに例外的なものもあるらしいが、今までの俺は限りなく前者だった。
しかし、今は現実では無く「夢」とはっきり分かった。だが、「夢」だからこそ俺の疑問が最も変なのだ。
俺は、花畑ではしゃいでいる途中、転んだのだ。ただ転んだ夢なら誰でも見る。しかし、転んだ時に「痛い」と感じる夢などあるのだろうか?
頭では、夢と分かっていながら痛感感覚がはっきりしすぎている。それを疑問に思わない方が無理な話である。
かといって、そんな疑問を解決出来るような頭も俺は持っていない。俺は考えるのを止め、花畑の上に大の字になって寝転んだ。すると
「た・・・け・・て」
小さな声が聞こえた。いや、聞こえた気がした。俺は起き上がって周りを見渡したが誰もいなかった。気のせいだと思って俺はまた寝転んだ。しかし
「たすけて・・・」
聞こえた。確かに聞こえた。今度は気のせいなどではない。俺は起き上がって、声の主に尋ねた。
「ねぇ。誰かいるの?」
しばらく沈黙が続いた後、声が聞こえた。
「太陽のある方向へ真っ直ぐすすんで…」
!!
返事が来た。やはり、気のせいなどではなかった。
俺は言われた通りに、太陽のある方向へ真っ直ぐ進んだ。
すると、
一カ所だけ、光っている場所がある。太陽の光でも反射してるのか?
いや、それにしては明るさが半端じゃない。
俺は、恐る恐る一歩一歩近づいた。
しかし、驚いた事に場所が光っているのでは無く、500円位の小さな種が光を発しているのだった…
白く光る景色が広がっていた。眩し過ぎる程の光だ。
俺は、目を細めてその先を見る。すると、光が収まり周りには桃源郷とも言えるような一面の花畑が広がっていた。
その光景の余りの美しさに
「すげぇ。ここは地球なのか?」
と、1人で感動していた。俺は花畑を走り、1人ではしゃいでいた。
しばらくはしゃいだ後、俺は少し疑問を覚えた。
(おかしいのだ。)いや、おかしいというよりは(有り得ない)という言葉の方がしっくり来る。
普通人間は夢を見る時、それを夢とは認識しないものだと前にテレビで聞いた事がある。ごくたまに例外的なものもあるらしいが、今までの俺は限りなく前者だった。
しかし、今は現実では無く「夢」とはっきり分かった。だが、「夢」だからこそ俺の疑問が最も変なのだ。
俺は、花畑ではしゃいでいる途中、転んだのだ。ただ転んだ夢なら誰でも見る。しかし、転んだ時に「痛い」と感じる夢などあるのだろうか?
頭では、夢と分かっていながら痛感感覚がはっきりしすぎている。それを疑問に思わない方が無理な話である。
かといって、そんな疑問を解決出来るような頭も俺は持っていない。俺は考えるのを止め、花畑の上に大の字になって寝転んだ。すると
「た・・・け・・て」
小さな声が聞こえた。いや、聞こえた気がした。俺は起き上がって周りを見渡したが誰もいなかった。気のせいだと思って俺はまた寝転んだ。しかし
「たすけて・・・」
聞こえた。確かに聞こえた。今度は気のせいなどではない。俺は起き上がって、声の主に尋ねた。
「ねぇ。誰かいるの?」
しばらく沈黙が続いた後、声が聞こえた。
「太陽のある方向へ真っ直ぐすすんで…」
!!
返事が来た。やはり、気のせいなどではなかった。
俺は言われた通りに、太陽のある方向へ真っ直ぐ進んだ。
すると、
一カ所だけ、光っている場所がある。太陽の光でも反射してるのか?
いや、それにしては明るさが半端じゃない。
俺は、恐る恐る一歩一歩近づいた。
しかし、驚いた事に場所が光っているのでは無く、500円位の小さな種が光を発しているのだった…