孤独な戦士
数日後、学校から帰ると家に警察がいた。


ばれたか?俺がやっていたことが。



つばを飲み込んでからゆっくり歩いて行った。



「あ、池上崇君。ちょっと話を聞かせてくれるかな。」




「何ですか?」


冷静なふりをしようと思ったが声が震えているのが分かる。



「君のお兄さんが死んだ日に気になったことがあったんだよ。」


「そうですか。」


「君の服だよ。あの時トレーナーにスウェットだった。揉み合っているうちにナイフが刺さってしまったって言っていたがそれにしては服についていた血の量が多かったものでね。揉み合っているならそこまででもないと思う。それに絨毯にも揉み合った時にできるようなかすれた血痕は見当たらなかった。怪しいと思わないかな。」



「そうですか…。何が言いたいんですか?」




「君がやったんではないかと思ってね。」




「何の根拠があって?僕がやったなんて証拠なんてあるんですか?」




「ナイフの入手ルート、調べさせてもらった。君が2週間ぐらい前に買っているということが分かった。あのナイフを昔から護身用に持っていたって言うのも嘘だよね。」


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