【短編】『Love Step&夢幻華番外編』佐々木龍也に関するレポート【恋愛と自動変換機能について】
暁のレポート

俺の親友。生徒会副会長、佐々木龍也はクールビューティと呼ばれる冷たい仮面を被って人前では余り笑わない。

人に干渉するのも干渉されるのも大嫌い、特に女に対してはメチャクチャ冷たくて興味なんて示した事が無い。

告白してくる女を片っ端からなぎ倒すように、あの射抜くような冷たい視線で振り続けて来たのを知っている俺達は、龍也が誰かに恋をするなんて考えてみた事も無かった。

あいつが蓮見聖良と付き合うようになって、どんどん変わっていったのは、良い傾向だと、俺も響も思っている。

今まで誰にも関心を示さなかったあいつが、聖良ちゃんのことだけは、とにかく神経を配っている。

自己中心的で、超が5つ位頭に付く、我侭人間の典型的見本と言っても過言ではない龍也だが、彼女の前では自己中の意味が変わってしまうらしい。

『自己が中心』ではなく『自己の中心は蓮見聖良』に変換されるのだ。

彼女の為なら、あいつはどんなことでもするだろう。


そう、どんなことでも…


それが10年来の親友が、もっとも毛嫌いすることであっても…だ。


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