パーフェクトティーチャー
「ムキにならなくてもいいじゃん」


智香が頬をふくらませて抗議する。


「ごめん」


ほたるは深々とお辞儀して謝った。


叩くつもりなど毛頭なかった。


だけど、話題が氷室のこととなると、衝動を抑えきれないのだった。


智香の手前、ほたるは平気な顔でいたが心では泣いていた。


心中が涙でずぶ濡れだ。


確かに・・・ほたるは氷室のことを愛してる。


けど、好きになっちゃいけないんだ。


好きになってはいけない関係なんだ。


真面目一辺倒のほたるは毎朝、毎晩、来る日も来る日も自分にそう言い聞かせている。


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