パーフェクトティーチャー
翌日からほたるは寝込み、学校も休んだ。


健康だけが取り柄の彼女にとって珍しいことだ。


生まれて初めての恋煩いは重症だった。


いや、重体かもしれない。


寝ても覚めても氷室が頭から離れなかった。


確かめてはいないが体重も2~3キロ落ちた気がする。


ここ数日、胃の中は空っぽだ。


けど、いつまでもクヨクヨしていても先に進めない。


そう思い直したほたるは日曜日、久しぶりに早起きをし、家を飛び出すと、氷室を尾行することにした。


キャップを目深にかぶり、サングラスとマスクで顔を覆うお約束のスタイルで・・・。


マンションの前で待ち伏せしてると、氷室がエレベーターから降りてきた。


一人だった。


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