パーフェクトティーチャー
手を握ったり、肩を組んだりこそしないが、二人は体を寄せ合うように歩き、駅ビルの中のレストランに消えた。


誰が見ても只ならぬ関係である。


ほたるは店員の案内を無視し、氷室たちの斜め向かいに座った。


「ねえ、氷室先生はなににする?
ここのパスタ、すっごく美味しいんですって。
この前雑誌に載ってたのよ」


「マジで。
じゃあこの、『シェフのおすすめ日替わりパスタ』にでもしようかなー」


女子高生のようにキャッキャとはしゃいでる。


ほたるは得意の読唇術で会話を読み取った。


「例のプレゼントなんだけど、もう少し待ってくれるかしら?」


「いいよ。
世界に一つだけの贈り物ってなんだろうな・・・
知りたいなー」


「それは見てのお・た・の・し・み」


「じらさないで教えてよ」


「だーめ」


「ヒントだけでもちょうだいよ」



< 128 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop