パーフェクトティーチャー
「じゃあ聞くわ。
あなたの返事は?」


山上がクルクルとフォークにパスタを巻きながら尋ねる。


氷室は少し間をおいてから返答した。


「その返事、少し待ってくれないかな。
実は初めてなんだ。
同性に好かれるの」


「あら・・・
氷室先生を好きになった男、私が第一号じゃないと思うわ。
過去にも同じような思いを抱いた男、いたはずよ。
私みたいに図々しく迫らなかっただけで・・・」


「そうだろうか」


「そうよ。
あら、トマトソースが口許についてるわよ。
拭いてあ・げ・る」


氷室の顔にナプキンを近づけ、山上がかいがしく拭き取る。


たまらずほたるは「店員さんトイレはどこ?」と聞き、吐きに行った。


< 130 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop