パーフェクトティーチャー
トイレから戻るとすでに二人の前には食後のケーキがあった。


フルーツがふんだんに使われたタルトだ。


二人はミルクティをすすりながら、相変わらず女子高生のように楽しげに談笑している。


「今からね、氷室先生にね、来てほしいところがあるのよ」


そう提案したのは山上だ。


「いったいどこだい?」


「私のふるさとよ。
私のこと、もっともっと知ってほしいの。
私も現在も過去も未来も。
氷室先生にぜひ私が育った街を見てほしいのよ」


「実家ってどこだっけ?」


「うん。○☆※♯よ」


読唇術に長けたほたるも山上のこの回答は読み取れなかった。


なぜなら、ケーキを口に入れ、モグモグさせていたからだ。



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